12月近くになって、ようやく山々が色付き始めてきた今年の晩秋
この時季の楽しみは、真っ赤に落ちていく夕陽とイルミネーション
10月後半の岡山県への、3日間の撮影旅行のリポをお届けします
晩秋のイルミネーション
鳥取駅から特急スーパーはくとに乗り込み、上郡駅で普通列車に乗り換え岡山駅に着いたのは13時過ぎ。数年振りの岡山だが、以前より賑わっていて、駅の中も東京と変わらないような混雑。
軽く昼食を摂り、駅前の大通りを真っ直ぐ進む。以前も後楽園と岡山城は訪れているので約20分以上の道を歩く。大通りの突き当たりの公園から、左側に後楽園の黄葉と緑の入り雑じった樹木。
右手には烏城と呼ばれる岡山城が黄葉に映えている。城の周囲を一回りして撮影。後楽園との間に架かる月見橋や、旭川の水辺からの岡山城。更に、夕陽を受けて色を変えた烏城が特に印象的。
一旦、ホテルにチェックインして夕食を摂り、夜の後楽園へリターン。真っ暗な庭園に和傘や樹木のイルミネーションが映える中、たくさんの観光客がスマホをかざしている。
三脚をセットして撮影開始。園内の鮮やかなイルミネーションと、樹木の水鏡がナイス。色とりどりの和傘も魅力的。そして、園内のどこからでも見えるライトアップされた岡山城の勇姿が堪らない。
月見橋を渡って岡山城へ移動。ライトアップされた白と黒の城に、ここでも鮮やかな和傘が彩りを添えている。昼夜の後楽園と岡山城を堪能して初日は終了。流石に疲れてホテルで熟睡。
日本のエーゲ海・牛窓港
今回の旅で再訪の岡山、倉敷に対して初めて訪れる牛窓。以前から日本のエーゲ海といわれる、その写真を見て楽しみにしていた場所。岡山から赤穂線邑久(おく)駅で下車。
「あんちゃん、どっから来なすった」。降りた途端、年輩の男女から声を掛けられる。そして、拉致でもするようにコミュニティバスに案内してくれる。牛窓への途中で彼らは下車したが親切に感謝。
終点はフェリー乗場近くの広場。降りた途端、真っ青な空と海、そして青いフェリーがお出迎え。早速パチリと撮って、いつものように歩き回る。港、マリーナ、埠頭……何処もオーシャンブルー。
埠頭の近くのコンビニの弁当を広げて、雲一つない青の世界を満喫しながら一休み。青い海の他に牛窓は【日本の夕陽百選】に選ばれる夕景の名所。今秋のコンセプトの高い場所からの夕陽が楽しみ。
腹拵えして再び歩き回る。地元の女性に聞いて本蓮寺を知る。伽藍も立派だが、その裏手から見下ろす牛窓の海と瀬戸内海の島々。更に歩いて近くの高台にある牛窓天神社を発見。
120段の石段を上がった先には、微かに高松市も望まれる絶景。夕刻を待って再び上がる。刻々と空と海と島々を染めながらの心震わせる夕景。たった一人の暗い社で貴重なひとときを過ごした。
レトロ調な倉敷美観地区
3日目は倉敷美観地区。以前訪れた時はカメラを持っていなかったので、ざっと一回りしただけ。思った程人出も少なく、映画のセットみたいな所だなぁ、という印象しかなかった。
しかし、カメラを始めて訪れた美観地区はひと味もふた味も違って見えた。白壁の土蔵やなまこ壁はもちろん、煉瓦造りやモダンでアートのような建造物もあって撮影には事欠かない場所。
しかも、前回は見逃していたが美観地区を中心に美術館をはじめとする公共施設。更には、駅前から続く商店街や古い町並みが魅力的で、どこもすれ違うのに苦労する程の人で活気に溢れていた。
絵になるのは倉敷川の流れる中心地。スマホをかざす人達で溢れてシャッターを切るのも困る程の賑わい。喧騒を逃れて倉敷アイビースクエア方面に向かう。ここも煉瓦造りが素敵な撮影スポット。
更には人の少ない高台を求めて長い石段の上に綺麗な境内が広がる観龍寺へと。美観地区を一望に出来るシャッターチャンスが待ち受けていた。そして紅葉、黄葉の綺麗な阿智神社と見所は尽きない。
最後にカメラをバックに収め、狭い通りに昔ながらの店が並ぶ本町通りと美観地区を歩く。【晴れの国】と言われ温暖な気候で雨が少ない岡山。次に移住するならここかもと思いながら駅に向かった。