
暑かった夏のせいで紅葉、黄葉ともに例年より遅れているようだ
天気予報と睨めっこして、紅葉の時期が早い山間部への撮影
バスとウオーキングで紅葉を満喫した先週末の撮影リポート
若桜駅近辺の紅葉
雨予報の割には晴れた日が続く11月上旬の週末。ベランダから見える山々はまだ緑色だが、紅葉情報で見頃と発表されたのが鳥取県と兵庫県の境にある氷ノ山(ひょうのせん)。その中腹には昨秋と今年の2月に訪れている。

ただ、昨秋は9月なので紅葉の季節ではなかった。バスで若桜に着いたのは11時頃。若桜駅へ直行して構内の撮影をしながら近辺の紅葉を見ると、桜の葉は色付いて既に落ちていた。そして、もみじや楓等は色付いてはいるがまだ早いという感じ。

駅から以前に紅葉の撮影で訪れた中之島公園へ向かう。桜はほぼ落葉していて、もみじはまだ青葉のまま。ここの紅葉は綺麗だっただけに残念だったが、それでも青葉と落ち葉の対比が面白かったので撮影。

いつものように駅前の小さなレストランで食事して、これも定番となっている若桜神社とその近くの寺へ向かう。色付いているもみじもあるが、やはりまだ早い。時間が迫ってきたので駅に戻り、つく米(つくよね)行きのバスに乗る。
氷ノ山中腹の紅葉

30分ほど揺られて着いた氷ノ山中腹のつく米は真っ青な空。その青空の下に紅葉の山々。そして、中腹は紅葉のもみじと、黄葉の銀杏。更に、銀色のススキが加わって、これまでに目にした事のない光景が広がっている。

早速、中腹の高原ホテルの周辺を歩き回ってみる。つく米の棚田は有名だが、ホテルの周辺にもススキに囲まれた狭い棚田がある。遠くの山々を背景に一幅の絵のような景色にシャッターを切っていく。
ホテル周辺にはテニスコートや運動場のような設備もあって、高原リゾートとして賑わっていたようだ。縦横に走るアスファルトの道路から、山道に入って黄葉と緑の木々が織り成す光景を次々に撮影していく。

名前は知らないが、氷ノ山の他にも山がぐるりと囲んでいて前後左右360度が山。太陽の位置によって空も山も色を変え、どれ一つ同じ色はない。気が付くとスマートウオッチは5キロ近くを表示していた。

山道で車も人も全く通らない。熊でも出たらと、慌ててアスファルトの道へ出てホテル周辺へ戻る。遠くに見えるスキー場や、眼下の棚田を撮影して一旦、響きの森という施設へ入って休憩。
氷ノ山中腹の夕景

以前来た時も訪れたが、響きの森は山中とは思えない大きな施設。展示施設だが、氷ノ山の登山道の情報収集や、トイレ利用等で登山者や観光客のビジターセンターとして利用されている。ジオラマや熊の剥製などもあって貴重な施設。
少し休んで再び山道へ向かう。両側にススキが生い茂る狭い道をスキー場の方へ歩いてみる。いつの間にか日が傾いて、青い空は雲に覆われている。まだ16時前というのに、さっきまでの原色の色模様が淡い日暮れのような雰囲気に変わってきた。

そして、急に肌寒さを覚えた。考えてみれば山中を歩き回っていた時も全く汗をかかなかった。服装は下界と同じジーンズに半袖のTシャツの上にブルゾンを羽織っただけ。ススキと銀杏の先にあるスキー場の秋色の風景は魅力だが引き返す。

ホテル周辺へ戻って、傾いた日が差す棚田やスキー場にカメラを向け、また歩き回る。ブルーからオレンジ色に変わりつつある景色を撮影。しかし寒さに堪えきれず、再び響きの森へ入館して休憩。先客の登山帰りの人達は完全な冬装備。

バスの時間が迫って停留所へ向かう。最後の一枚は響きの森へ続く階段の周辺の暖色に変わった光景。更に、遠くの山々に落ちていく大きな夕陽を撮ろうと思った時バスが到着。バスの窓から濃いオレンジ色の夕陽に照らされた山々を見ながら下山した。
