
こちらへ来た頃、日本で最後のスタバ開店で大行列が話題になった鳥取市
人口最少県で色々遅れる事はあるが、その一つが鳥取駅の自動改札化
国鉄時代に山陰の鉄道管理局が米子市にあったせいで、米子駅は既に自動改札
最近はJR西日本管内の県庁所在地で唯一の有人改札が話題になっていた鳥取駅
3月15日、いよいよ自動改札スタート

わざわざ写真撮りに訪れる人もいるという有人改札最後の3月14日
オフにして、有人改札口を通っての最後の撮影旅行は兵庫と鳥取の県境ウォーク
秘境の駅・居組駅
山陰本線の兵庫県側へは昨年だけでも3回訪れている。その中で森の中にボックスのような建物があるだけで気になっていたのが居組駅。【秘境の駅】と言われるだけあって下車したのは私一人。

普通、無人駅といっても往時を偲ばせる町並みや店の跡が残っているものだが、目の前は鬱蒼と生えた樹林。トイレも自動販売機もない。ただ、今は使われていない引き込み線のレールと、庭園のようなものがあるだけ。
とても近くに漁港があるとは思えないたたずまいで、事前に少し調べていなかったら戸惑ってしまっただろう。林に囲まれたような道を400メートル程歩いて、ようやく人家が現れ、年配の男性と出会った。

ウオーキングの途中みたいなので、漁港への道のりと、その後で向かう山越えについて教えてもらう。古い町並みを通ったその先に漁港の建物が現れた。
美しい海面の居組漁港
昨年訪れた諸寄漁港程の大きさではないが、漁業関連の施設があって数人の人影が見える。その居組漁港に出た途端、息を呑むような絶景がいきなり目に飛び込んできた。

綺麗な水面の向こうに堤防と、ぼた山のような島が並ぶ独特の風景。堤防の先には白浜と青い空と日本海。少し風は強いが快晴の陽射しで初夏のような暖かさ。堤防に腰を下ろして久し振りの海を独り占め。
事前の情報では飲食店やコンビニも無さそうなので、鳥取駅近のコンビニで買ってきた弁当を開く。スカイブルーとオーシャンブルーをおかずにして至福の一時を味わう。

十分に青の世界を堪能して、町並みの散策。漁港特有の狭く入り組んだ細い通り。車など絶対に入れないような路地。会うのはほとんど高齢者ばかりだが、挨拶を返してくれる温かみのある、都会では味わえない雰囲気。
絶景広がる七坂八峠古道
町並みを一廻りして、今日のメインとなる県境ウォーク。目の前には本当に鳥取県まで歩いて行けるのか不安になるような高い山道が続いている。その名も七坂八峠古道。
道路は舗装されているが、曲がりくねった道が山肌を縫うように続いている。歩くには急勾配の道を黙々と進むだけ。片道一車線だが、歩道はなくバイクや自転車用の狭い車線を歩くので車には注意が必要。

少し上って振り向くと信じられないような絶景。居組漁港の堤防や、白い灯台、複数の島が一望。そして、港から海へと微妙に変わる青の色味が絶妙。桜の樹が多いので満開のピンクと海のブルーなら更に絵になるだろう。
しかし、七坂八峠の名の通り延々と繰り返すカーブの山道。時折現れる標識はいつまで経っても兵庫県新温泉町居組。それでも、曲がる度に変わる眼下の光景に目を奪われシャッターを切っていく。

青い海に白波映える東浜
高低差が殆ど感じられなくなり、下り加減になったと感じた時、カーブの左側に鳥取県と岩美町の待望の標識が現れた。少し下ると陸上展望台に到着。更に進むと昨秋訪れた東浜の展望台が見えてきた。

少し風が強くオーシャンブルーの海に白い波が立って、こちらも居組の海に負けない絶景。秋にはサーファーで賑わっていたが、人影も見えない昼下がりの海。向かいの半島と、直下の波打ち際の青色の違いに目を凝らした。
しばらく展望台の際に立って、眼下の海に目を向けた後、東浜の海岸へ下りていく。青い空と海に絶妙に配置されたような岩と、白い砂浜。何回訪れても見飽きない東浜の海。

海岸沿いに歩いて私のお気に入りのポイントへと向かう。スカイとオーシャンのブルーに海岸沿いの木道と東屋。手前の草むらの緑は少し色褪せていたがやはり絵になる光景。最後のシャッターを切って駅へと向かった。