暦や季語の上ではとっくに冬だろうが、紅葉や黄葉がズレているので気分はまだ晩秋
その紅葉、黄葉も場所や樹木によっては見頃の時期も違うので撮影に戸惑ってしまう
そんな12月始めに、紅葉、黄葉を求めて八頭町、若桜町へバスでの撮影
八頭町の黄葉
久し振りに晴れた12月初めの週末。紅葉と黄葉の見頃の時期がつかめなくて向かったのは八頭町。鳥取県東部の銀杏の定番ともいえるのが仁王堂の大銀杏。今回で3回目の訪問だが楽しみ。
バス停で降りると、すぐ目につくように小高い神社に聳える大銀杏。しかし、まだ若干青みがかっていて見頃には一息。もちろん、境内を埋め尽くすような黄色い絨毯にはまだまだ早い。
大木の下から斜めから、更に距離を取って数枚撮影。ボカシ撮りも終えて神社から下りる。道路沿いの軒下に吊るされた干し柿や、綺麗に咲いた庭の菊を眺めていると、後ろから呼び止める声。
農作業から帰ってきたような年配の女性が、「食べてみんしゃい」と言って一個取ってくれた。久し振りの干し柿は噛む程にトロリと溶けて、控えめな甘味が口中に広がる上品な味わい。
丁重に礼を言って、国道を次の目的地の和多理神社へと向かう。快晴の山々の紅葉と名産の御所柿を撮影しながら歩く。夕方のニュースで知ったが、この日は石破茂首相が神社に参拝していた。
私が着いた時には喧騒の跡形もなく、大銀杏に包まれて和多理神社はひっそりと辺りの風景に溶け込んでいた。仁王堂よりは黄味が増した銀杏を撮影して、若桜行きのバスに乗り込んだ。
若桜町の紅葉
何度も訪れている若桜町。紅葉の名所も把握しているので、まずは道の駅で腹拵え。そして向かったのは中之島公園。グラウンドや遊具もあって週末は親子連れで賑わっている。
この公園は二つの川に挟まれているが、園内は鮮やかな紅葉の樹木が数本。奥の川沿いには銀杏が数本と、赤と黄の両方楽しめる撮影の好地。八頭町では銀杏を撮れたので、ここでは主に紅葉の撮影。
青空と紅葉の入り交じった山々をバックに映えるグラウンドの紅葉。学童用の巨大な滑り台と幼児用の小さなもの、そしてひっそりと園内の片隅にある東屋の近くの紅葉をボカシも入れて撮っていく。
駅に戻って、若桜宿の蔵通りの寺の境内や、民家の庭の鮮やかな紅葉と黄葉のコントラストを楽しんでシャッターを切っていく。更には八幡広場を横切って寺の門や裏の清流を取り入れて撮影。
この日のメインと目論んでいた若桜神社は残念ながら紅葉の時季を過ぎて、200段といわれる石段を落ち葉が埋めているだけ。それでも、周囲の自然の中に黄葉を見出だしてパチリと収める。
もう一つ気になっていたのが、来年の干支の巳年に所縁の若桜弁財天・江島神社。散歩中の男性によると、上りがあるので1時間弱掛かると聞いて時間的に断念。またの機会を約して帰路に着いた。