
梅雨を通り越して一気に真夏になった7月最初の週末
夏泊、青谷、井出ケ浜、長和瀬の4つの海岸線の撮影
夏のギラギラ光る太陽の下、真っ黒になった撮影リポ
巨岩、奇岩の夏泊海岸

春に訪れた断崖絶壁の長尾鼻灯台。その途中に見下ろした漁港の風景が気になって、青谷の海岸線ウオーキング撮影を思い付いのは7月最初の土曜日。
青谷駅で下車し、見当を付けて国道9号線から逸れて山道を下って行く。狭い階段状の道の両側にぎっしりと立ち並ぶ家々。左手に漁港、そして右は巨岩、奇岩の夏泊海岸。その先には微かに見える長尾鼻灯台。

その岩場伝いに長尾鼻まで行けそうな気もするが実際は無理。波も荒く諦めてしばらく腰を下ろして一休み。青い空と海と白波のコントラストを眺めながら潮風に吹かれて至福の一時。

小さな漁港は人気もなく、ただ防波堤と先端の灯台が青い午後の海に佇んでいるだけ。その海の色が瑠璃と浅葱の中間のように微妙な色合いに広がっている。
美しい白浜の青谷海岸

一休みして向かったのは高台と堤防の間を通ってすぐ隣の青谷海岸。鳥取県はこの日から海開きの所もあるが、青谷海岸はまだ先らしい。白い砂浜が続く海岸にはサーファーと、水遊びに興じる家族連れ。
長閑な光景を見ながら砂浜沿いの道を歩いていく。砂浜が切れて、岬との間の河口に架かる青谷大橋。その手前の海に突き出している防波堤灯台。

禁止とか、歩行注意という表示板が見えたが防波堤の上を真っ直ぐ海へ進む。防波堤灯台を直に見るのは初めて。その白波迫る堤防に腰掛けて見る青谷海岸。
スカイブルーとオーシャンブルー。そして、湾内に広がる白い砂浜。海に突き出ているのは通ってきた夏泊海岸の防波堤灯台。更に、その先には岬の緑の上にくっきりと白い長尾鼻灯台。

一幅の絵のような夏の海を見ながら、潮風に吹かれて小休止。熱い体に掛かる心地良い波飛沫に、一週間の疲れもここまで歩いてきた5キロの疲れも吹き飛ぶようだ。
サーファー集う井出ケ浜
国道に出て青谷大橋を渡る。右手は青い日本海、下は勝部川との事。海を渡っているような爽快な気分。渡り終えると、右側の鬱蒼と茂る岬に川下稲荷の赤い鳥居。

地図ではこの上に展望台と書かれている。が、入ろうにも茂った樹木や雑草で人が通れそうにない。諦めて国道沿いの歩道を歩く。しかし、喉が渇いた。部屋を出て3時間以上水分補給していない。

海岸線と人家のないこの国道沿いは歩いても歩いても、自動販売機が見当たらない。この先の井出ケ浜は2年前訪れている。そこに行けば自動販売機はあるが、あと何キロ先なのか分からない。
曲がりくねった道を何キロ歩いたろうか。もうヤバそうと思った時、見覚えのあるダイキン工業の研修施設ダイキンアレス青谷のホテルのように大きく瀟洒な建物が見えてきた。

自販機を見付けて貪るように水分補給。人心地ついたところで『鳴り砂の浜』といわれる井出ケ浜を歩いてみる。たくさんのサーファーが波と戯れ、楽しんでいる。
絶景の夕焼け長和瀬漁港
しばらく、海岸の高台からサーファーを見ながら休憩。再び国道に出て展望台へ向かう。が、展望台は駐車場があるだけで、その先は鬱蒼とした樹林で全く海は見えない。

納得いかずに、峠を越えて下って行く。思わず声をあげたくなるような絶景が待っていた。既に時刻は5時を過ぎているが、まだ高い陽が青い海に銀色の水光を落としてキラキラ輝いている。

その海岸線を導かれるように撮影しながら、遠くに見える漁港と覚しき長い堤防を目指して歩いていく。カーブする度に変わる景色に次々シャッターを切る。
どのくらい歩いたのだろう。振り返ると遙か向こうに入れなかった展望台の岬が見えた。そして、着いたのは長和瀬漁港。初めて聞く名前。国道から漁港へ下りてみる。

漁協のような建物と漁船、そしてあの堤防が目の前に長く延びている。少し休んで再び国道に出て、井出ケ浜方面に戻る。思えば随分遠くに来たものだ。疲れた足で上り気味の道を歩む。

井出ケ浜の手前まできて振り返る。真っ赤な夕陽が水平線近くから海面を染め、長和瀬の堤防を影絵のように浮かび上がらせている。この夕景を撮る為に歩いてきたように思えて、シャッターを切り続けた。