鳥取城跡の白亜の洋館・仁風閣、2024春から修復工事で休館❗

鳥取県のシンボルが鳥取砂丘なら、鳥取市民のそれは鳥取城天守閣跡の石垣が聳える久松山。その麓に残る二の丸の石垣をバックに秀麗を誇る瀟洒な建物が、白亜の洋館仁風閣。

鳥取に係累のない私は来鳥当初、低い割には急峻な所もある久松山に登ったり、麓の久松公園や城跡をよく散策していた。その中でも一際目を引くのが青松とのコントラストが鮮やかな仁風

仁風閣の由来

1907年、旧鳥取藩主の別邸として建築された仁風閣。当初から皇族の宿泊用として設計されたという。実際、完成された年に後の大正天皇の御宿所として用いられた。

設計は迎賓館(旧東宮御所)や赤坂離宮などの宮廷建築の他、日本各地の県庁や博物館建築にも関わった片山東熊国宝に指定された迎賓館をはじめ、数多の重要文化財の設計に尽力した明治期の第一人者

後に鳥取市の所有になって迎賓館や公会堂として利用された仁風閣。1949年からは鳥取県立科学博物館として、現在の鳥取県立博物館が完成するまでは鳥取県の博物館としても利用されてきた。

50年振りの修復工事

映画『るろうに剣心』の第一作で決闘場面に用いられた白亜の洋館と言えば、ファンなら分かるかもしれない。正に剣心が暴れた明治期の面影を残した仁風閣と、その周辺の鳥取城跡と久松公園

しかし、漫然と眺めていた頃は気付かなかったが、カメラで撮り出してから白い外壁の塗装の剥げが気になってきた。更に屋根の老朽化も目立ち始めた……。

写真としてブログやSNSに公表しても遠景では気付く事もないだろう。ただ、スマホやタブレットに掲載された写真をピンチアウトした場合は気になるレベルにはなっている

今回は修復に加えて耐震補強も施すという。1973年に国の重要文化財に指定された時に行われた修復工事以来、50年振りの大規模修復工事が行われ、開館予定は2028年4月

仁風閣・春夏秋冬

新鮮な空気が漂う早朝も、燦々と陽がふりそそぐ日中も、オレンジに染まる夕暮れ時も、真っ暗な深夜にも……いつも変わらぬ白亜の洋館【仁風閣】。化粧直しした4年後を楽しみに待ちたい。

春の仁風閣といったら、やはり久松公園の桜と城跡の石垣とのコラボレーションの一択

久松山全体が緑色の夏は白亜の仁風閣が最も映える季節

紅葉とのコラボもいいが、秋の夜長のライトアップされた仁風閣も捨てがたい

真っ白な雪の中に白亜の洋館……、と思われるかもしれないが白銀の中の仁風閣にもしびれる

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