
毎週のように最強、最長の寒気と予報された今冬の後半
撮影機会にも恵まれなかったが、智頭、若桜に続いて訪れたのは鳥取砂丘
カメラを始めて以来、砂丘には何回か通ったが初めての冬の砂丘リポート
鳥取砂丘冬景色
本当に異常だった今年の冬。暖冬で終わりかけたと思ったら、2月に入って毎週のように最強寒波。冬なら雪景色と智頭町、若桜町に続き訪れたのは鳥取砂丘。何回も撮影には訪れたが冬は初めて。
最後の寒波と騒がれた2月下旬の三連休。奇跡的に快晴に恵まれた一日、目に飛び込んできたのは一面の銀世界。ただ、快晴の陽を受けて、人が通った足跡の所から雪が解けてどんどん砂が現れてくる。

そのせいで人気の馬の背に続く辺りは砂が見えるが、殆ど観光客が寄り付かない西側に掛けては銀世界。冬景色と本来の砂丘に近い両方の景色が観られるのは訪れた観光客もラッキーだったと思う。
雪景色を堪能した後は、いつも通り馬の背に上がる。青い空と、色の濃さが違う青い海。そして、茶色の砂と真っ白な雪。いつもと違う風景に寒さを忘れて見入り、次々にシャッターを切っていく。

快晴とはいえ冬の砂丘。風もなく凪いでいるが、それでも体の芯から冷えてくる。シャッターを切る手指もかじかんで、海と反対側の光景やオアシスを撮りながら馬の背から下りる。
冬のお種弁財天
冬景色は撮れたが、この時季にしか見られない雪の夕景のシャッターチャンスを逃したくない。夕暮れまでには3時間以上。その間に向かったのは昨年10月に撮影したお種弁財天。

砂丘から歩いて10分。誰一人いない雪の鳥居を潜って、薄暗い林の中を下りていく。心細さはあるが雪の白さが救ってくれる。樹木に遮られているせいか弁財天は思ったより雪が少ない。
三つの鳥居を潜って着いたお種弁財天は薄暗い中にひっそりと佇んでいた。参拝して今年の干支の巳の写真を撮っていく。雪に囲まれた無数の蛇の置物。シャッタースピードを遅くして撮影していく。

誰一人いない林と雪の中の薄暗い弁財天の無数の蛇の置物。決して気持ちよいものではないので早々に切り上げ、上からの砂丘の眺望を撮りにロープウェイ乗り場へ。一味違う風景にまたシャッターを切る。
鳥取砂丘の夕景
調べて気付いたが、この時期なのに日暮れは思った以上に遅い。砂丘入口近くのカフェで冷え切った体を温めながら夕暮れ時を待つ。日が暮れてきたのは17時30分過ぎ。日の入りは50分になっている。

この時刻、観光客は次の予定もあるせいか夕焼けショーを観ないで殆ど帰ってしまう。それと入れ替わりに夕景を楽しみに地元の人が車で続々訪れる。階段を上がって砂丘の入口で思わず息を飲んでしまった。
春から秋までの夕景も綺麗だが、日が傾いていく程に雪が白から薄紅色へと移り変わっていく冬の砂丘。陽が落ちる西側だけでなく南から東の方も淡い茜色に染まり、それが少しずつ雪の色をも変えていく。

気温が低下して手指がかじかんでくるが、高揚感から寒さを忘れて次々シャッターを切り続ける。最後の日の入りは撮影を止めて幻想的なショーを目に焼き付ける。余韻に浸かりながらバス停へ向かった。