私は一度訪ねて気に入った所には何度行っても飽きないようだ。いわゆるリピーターになって複数回足を運ぶパターンが多い。
これまでも白兎神社や白兎海岸、雨滝、智頭町、鹿野町……。昨秋のコンデジで写真を始めてから一眼レフに替え、僅か数ヶ月の間に同じように繰り返している。
今回訪ねた若桜町も電車に乗ったり、バスに揺られたりして今回で確か5度目になるはずだ。宿場町の面影が残る古い町並みを訪ねた真夏の若桜町リポート。
若桜郷土文化の里
城、城跡、神社仏閣、明治大正期の洋館……、等に惹かれる私にとって宿場町の面影が色濃く残る若桜町の古い町並みは何度行っても癒される。
この夏、新聞に載っていた若桜町の記事をメモ帳に入力してイベントの他に興味を持ったのが、茅葺きの家や土蔵造りの銀行の建物などが残る若桜郷土文化の里。
規模は小さいが民俗資料館としての機能も兼ねて昔の用器具なども展示されている。小高い丘に緑の木々と青く澄んだ夏空をバックの伝統建造物の撮影は心踊る楽しさ。
この日は地元のイベントで賑わい、子供達の太鼓が勇ましく響き渡っていた。平日の静かな昼下がりにじっくり民俗資料などを見て回り、無人の伝統建造物を撮影してみたいものだ。
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金魚のつるし飾り
片道20分ほどの文化の里を往復し、レトロ調の若桜駅内のカフェで涼を取る。駅前に出て真っ直ぐ進む道の両側の商家の軒下に、今回の目玉の一つの金魚のつるし飾りが風に揺らめいているのを発見。
ピンク、水色、黄色、緑色、白……何色あるのか分からないが、荷造り用のプラスチック製のカラーバンドでの手作り。金魚やハート、円形などを形作って組み合わせ軒先に吊るしている。
駅前から200メートルも歩くと突き当たる若桜宿の仮屋通りと呼ばれる町並み。宿場町の臭いを色濃く残し、国の重要伝統的建造物群保存地域に選定されている町並みの両側に風に揺らめいている金魚のつるし飾り。
観光協会と住民達の手作りという1200匹の涼やかで可愛い金魚。仰々しく金をかけたものではないが、アイデア一つで町を盛り上げようという心意気。今年で3回目というが末永く続く名物になって欲しい。
若桜宿の和紙灯籠
一通り金魚つるし飾りを観ながら仮屋通りで撮影し、若桜駅に戻る。駅構内で出発を待つ魅力的な若桜鉄道の昭和号、八頭号、若桜号、ラッピング列車の隼号、更に保存されている蒸気機関車などをカメラに収める。
6時を過ぎても明るい駅前通りを再び歩いて、仮屋通りの一つ手前の横丁に入った所が蔵通り。車両の入れない狭い路地の両側に白壁造りの土蔵や寺院がびっしり並んでいる。
片側に用水路が流れる風情のある蔵通りの両側に、灯りの点った白地の和紙灯籠が暮れ行く路地を淡く彩っている。懐かしさに目が潤みそうな光景に見惚れながらシャッターを切っていく。
仮屋通りの金魚のつるし飾りの下に点る和紙灯籠もなかな風情があった。真っ暗な町並みに点る灯りも見たかったが、電車の時間の関係で断念。紅葉や雪景色の若桜宿も魅力的だろうなと想像しながら電車に乗り込んだ。